美術科 総合美術コースDepartment of Fine Arts Arts and Communication

[優秀賞]
増木英莉|ほほえみのほし
長野県出身
松村泰三ゼミ

友達とのおしゃべりは楽しいけれど、笑った顔はよく見えない。広く美しい空からは、爆弾が降ってくるかもしれない。大学生として過ごしたこの4年間、社会は混沌を極めていく一方だったように思います。悲しい出来事ばかり起きるように思えるけれど、私たちを取り囲む世界には、喜びや優しさもたくさん溢れているはずです。ファンタジックでありつつも、どこかに実在していそうな風景を作ることで、それを表現しました。



松村泰三 准教授 評
ダンボールで作られた大きな街、どこか懐かしいような感じであり、ちょっと不思議な街にも見えます。一つ一つ見ていくとどんどんその世界に引き込まれていき、空想の街を歩いているような気持ちになります。ここには、故郷である長野や現在住んでいる山形、岩手県金ケ崎市で行なった地域活動、ゼミでの活動やアルバイトなど、増木さん自身がこれまでに体験したことが、オブジェとなって設置されています。
増木さんがこれまで生きてきて、その全てが楽しいことばかりではなく、辛いことや大変なこともあったかもしれません。でも、この街を見ていると、「いろんなことがあっても最後には良い方向に向かっていくから大丈夫」と言われているような気がしてきます。そんな前向きな気分にさせてくれるステキな作品です。