文化財保存修復学科Department of Conservation for Cultural Property

遊佐和花|白鷹町塩田行屋の『四国八十八箇所本尊仏像』の落下対策 -現状記録を中心として-
宮城県出身
宮本晶朗ゼミ 

 山形県白鷹町塩田行屋「四国八十八箇所本尊像」の現状記録を行い、落下対策を検討し、像の姿形が失われることや、像の紛失を防ぐことを目的に研究を行った。研究対象である「四国八十八箇所本尊像」は、大師堂内の厨子に弘法大師像と一緒に納められている。また、四国八十八箇所霊場の本尊を写したものであり、明治32年(1889年)に新海宗慶によって制作された。この像は小動物が侵入しやすい環境に置かれている。2011年以前から今に至るまで像の落下が繰り返し起こっており、応急処置、像の再配置も行われている。そこで88体の像の現状記録を行い、再び落下しても元に戻せるように記録シートを作成する。落下対策についても検討し、選定した方法を実施?評価する。
 山形県白鷹町塩田行屋「四国八十八箇所本尊像」の現状記録を行い、落下対策を検討し、像の姿形が失われることや、像の紛失を防ぐことを目的に研究を行った。研究対象である「四国八十八箇所本尊像」は、大師堂内の厨子に弘法大師像と一緒に納められている。また、四国八十八箇所霊場の本尊を写したものであり、明治32年(1889年)に新海宗慶によって制作された。この像は小動物が侵入しやすい環境に置かれている。2011年以前から今に至るまで像の落下が繰り返し起こっており、応急処置、像の再配置も行われている。そこで88体の像の現状記録を行い、再び落下しても元に戻せるように記録シートを作成する。落下対策についても検討し、選定した方法を実施?評価する。
 本研究では八十八箇所像の現状記録により、再び落下しても2023年の配置状態に戻せるようにした。落下対策では、部材接着後の強度の安定性および、ストッパーの強度と安全性から落下対策への有効性を部分的には認めることができた。今後の課題として、像本体と台座の安定と部材紛失を防ぐため、像本体と台座が分離しているものは、すべて接着する必要があると考える。これは像の信仰機能の継続につながると考える。そしてストッパーによる固定は、再度88体の像に対してストッパーを固定し、再検証していきたい。

1.現状記録(仏像の撮影)

2.過去の接着剤の除去作業

3.仏像の接着作業