美術科 日本画コースDepartment of Fine Arts Japanese Painting

[優秀賞]
荻莊天馬|瀧山
新潟県出身
長沢明ゼミ
2900×9200 和紙、岩絵具、水干絵具、箔、墨、パール粉

山形市から見える瀧山を描きました。瀧山を通して地球の大地を実感し、圧倒的な大自然の恩恵によって生活が出来ていると感じます。その姿に畏敬の念が自然と湧いてきます。


長沢明 教授 評
この作品は、彼が4年間磨き続けてきた写生によって生まれた渾身の1枚でしょう。大きなスケールもさることながら、あの広大な風景を全身で丸ごと受け止めるような潔さに魅かれます。一見すると、圧倒的な自然と人の営みという対比を描いているようにも見えますが、もっと彼自身の実直さでもって、眼前の世界を捉えようと試みた作品であると私には映ります。
荻莊君にとっての写生は、この世界の仕組みを手で探り、なんとかして自身の一部にしていきたいという強い想いが支えています。だから作品には飾りや装いがなく、そして偽りのない強度が感じられます。それこそが最大の魅力ではないでしょうか。
武士のように写生道を地でいく荻荘君の姿と、瀧山の佇まいが重なって見えるのは、きっと私だけではないでしょう。