[最優秀賞]
中島慎之助|観察中毒
福島県出身
松村泰三ゼミ
スタイロフォーム、石粉粘土
作品説明「できるだけ多くの方々に昆虫の造形美を見て知ってもらうため、この作品を制作しました。幼虫から成虫へと変化する中で、それぞれの形態が見せるカブトムシの形の細かさや、凶器的な力強さを持つカマキリの刺々しいフォルムを、彩色や造形で可能な限り引き出せたと思います。また、より迫力を出すためにそれぞれ実物よりも大幅にサイズを拡大し、カマキリのカマに関しては約3mの高さで制作しました。
松村泰三 教授 評
入学当初の自己紹介で「昆虫が好きで飼育もしている」と話していた中島君は、2年次の立体造形演習で30cmほどのカブトムシを制作しており、その細部にこだわった緻密な表現により高い評価を受けている。卒業制作では、それをさらに発展させ、このようなダイナミックな作品となった。
数十倍にも拡大されたカブトムシの頭やカマキリの前足は細部まで細かく表現されていて、見慣れているはずのカブトムシやカマキリではあるが、これまで見えていなかった複雑な構造や力強いフォルムなど、新たな魅力を発見することができる。これは普段から昆虫に接し、熱心に観察することで生み出されるものであり、彼の強いこだわりが感じられる。
「好きなものを作る」ということは、ともすると内向きな自己満足的なものになることもあるが、ここでは昆虫の魅力や形態の美しさを作品として昇華させることで、それを社会に向けて共有しようとしている。