[優秀賞]
太田碧|新庄市から庄内町を架ける陸羽西線の再生
山形県出身
佐藤充ゼミ
模型
佐藤充 准教授 評
2022年からトンネル工事を理由に全線運休となり、運転再開の目処が立っていない新庄と酒田を結ぶJR陸羽西線の再生計画である。縮退社会に移行するなかで、利用者が減少し、やがて廃線となる事態が全国各地で散見される。体内の血流が滞り、壊死するかの如く、廃線によってまちは衰退の一途を辿る。こうした状況において、太田は、鉄道を人や物の輸送からコンテンツの輸送へ転化させ、行政サービスの窓口や図書館、病院、飲食店、服飾店、娯楽施設といったさまざまなコンテンツを乗せた車両(コンテンツポット)を走らせることで、縮退都市における暮らしと鉄道の新たな関係性を構築している。コンテンツを求めて人々が都市を移動するのではなく、コンテンツポットが、最寄りの駅に停車するのを待ち望む。鉄道を介して地域単体では維持管理が困難な都市機能をシェアすることで、静かだったホームは、息を吹き返す。それは、まるでサーカスがテントを広げ、まちが高揚するかのようである。