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Teacher Training Course

授業実践力と生徒理解力を
身に付けて、生涯に渡って
「学び続ける教師」を目指す

教職課程では、建学の理念である「藝術立国」のもと、高い専門性に裏打ちされた教育実践力を持ち、生涯に渡って学び続ける教師を育成することを目指しています。そのために、知識面だけでなく、実践活動や体験を通じての学習活動も充実させています。また、「人間とはいかなる存在か」「人間はどのように成長するのか」「人間は社会とどのように関わるのか」などの総合的な人間力を培うことを基盤としています。教職課程での学びが、資格の取得に留まらず、「人間」「教育」「社会」に関わる広く深い考察を行う機会になることと、介護等体験や教育実習に向けての指導を通して、社会人としての基礎的な素養を身に付ける機会になることを目指しています。

Qualification

取得可能な資格

教職課程科目を履修することで、中学校教諭一種免許状、高等学校教諭一種免許状を取得することができます。また、科目等履修生として聖徳大学の授業を履修することで小学校教諭一種免許状を取得できる制度を設けています。

学科 教科 免許状の種類

美術科
工芸デザイン学科
プロダクトデザイン学科
グラフィックデザイン学科
映像学科

美術 中学校教諭一種免許状
高等学校教諭一種免許状
歴史遺産学科 社会 中学校教諭一種免許状
地理歴史 高等学校教諭一種免許状
建築?環境デザイン学科 工業 高等学校教諭一種免許状

Feature

特徴

教員採用試験で80%を超える、高い現役合格率

例年10名以上の学生が教員採用試験に現役で合格しています。高い合格実績の基盤になっているのは日々の授業で培う「総合的な人間力」です。また、授業外で行われる対策指導がとても充実していることも挙げられます。学科(教職教養?一般教養?専門教養)?面接?小論文?模擬授業?実技など、採用試験で課せられる内容に確実に対応できる力を養成します。


採用年度 受験者数 現役合格者数 合格率
2025 18名 15名 83%
2024 19名 16名 84%
2023 17名 16名 94%

※受験者数には大学院生を含む


高い授業実践力

1年次から2年次前期にかけて、教育理論や授業実践の先行事例を学び、授業づくりの基礎?基本を修得します。2年次後期からは学生自らが考えた模擬授業を教師役として繰り返し行い、その成果と課題を事後検討会で振り返ります。改善策を学生全員で共有して授業プランをブラッシュアップすることで、個々の授業実践力を高めています。

美術科教育法2

中?高等学校における美術科の各内容の指導力の基礎を習得します。実践を通じて教材研究?題材開発?授業計画?評価計画などの授業づくりに関わる準備の重要性を理解し、授業改善の視点を持ってより充実した内容につくり変えていくために必要な基本的な事項を身に付けます。

社会や地域に開かれた学びの体験の充実

課外でのボランティア活動等を通して社会や地域に開かれた学びの体験に力を入れています。例えば、学生が考案した造形プログラムを小学校の図工授業で行ったり、中学校の美術部の活動と連携したアートプロジェクト活動を行ったり、黒板アートや校内装飾によって小学校の卒業式を盛り上げたりなど、さまざまな教育実践経験を積み上げています。

小学校を卒業する6年生に黒板アートをプレゼント

この小学校では、サケのふ化から放流までを学習しており、事前に調べてデザインに取り入れました。サケの上に並ぶ児童一人一人の笑顔も丁寧に描画。卒業式の朝、登校した子どもたちは大喜びでした。こうした子どもたちとの関わりは、教職課程を履修する学生にとって、代えがたい実践の場となっています。

Students

学生の声

宮城県公立学校(中高)美術科教員 内定

伊藤 朱理さん

美術科 洋画コース 2024年度卒/宮城県本吉響高校出身

生徒たちとのコミュニケーションを大切に、
地道な努力で信頼関係を築いていきたい

一次試験の対策として全国の問題集や予想問題などを
ひたすら解き、二次試験対策では千本ノックのような面接練習に取り組みました。先生方の熱意のこもった指導のおかげで自分の考えが洗練され、本番で力が発揮できたと考えています。芸工大なら学びが深まっていく面白さと自分が「なりたい教師像」に気付けるはず。今後は生徒が悩んでいる時や不安を感じた時に相談しやすい教員を目指していきます。

北海道公立中学校社会科教員 内定

後藤 優和さん

歴史遺産学科 2024年度卒/福島成蹊高校出身

歴史や地理を熱く語れたからこその結果。
“ 好き” を突き詰めることが大きな力に

先生方に1 年近く面接?小論文指導をしていただいた
ことで、自信をもって本番に挑めました。また、教育大学出身者と比べると教育の経験は劣りますが、歴史遺産学科では4 つの分野の知識が得られるため社会科の専門性が非常に高く、その学びがいかに教育に関係するのか説明できたことも大きかったと思っています。変化が激しい現代社会だからこそ、今後も学び続ける姿勢を持ち続けていきたいです。

Professor

教員紹介

吉田卓哉 教授

Yoshida Takuya
担当科目:美術科教育法1~4、教育美術史、教育方法など

2つのソウゾウリョクで確かな教師力を身に付ける

先が見えない社会状況、地球規模の温暖化や災害、国家間の争いや内戦が絶えない世界情勢などの不安なニュースばかりが耳に入る中、誰もが「どう生きるか」を懸命に模索しています。日本の教育はだいぶ前から「生きる力」という言葉を掲げていますが、この力の根源にあるのは「2つのソウゾウリョク(想像力と創造力)」ではないかと考えます。これはアートとデザインを学ぶ上ではもちろん、教育についての学びを深めるためにも不可欠な力です。例えば「美術」という教科では、自己と向き合うことで創出されるアートと他者意識から課題解決を導くデザインについて、表現(えがく?つくる)と鑑賞(みる?かんじる)の創造的活動を通じて学びます。生徒たちにこれらの学びを保障するために、教師は感性を働かせてさまざまな物事に興味?関心を持ち、貪欲に学び続けなければなりません。教職課程では、学生同士が意見を出し合い共有することで新しい価値を見出す協働的な授業が展開されます。いわゆる「主体的?対話的で深い学び」の経験を積み上げることで、これからの教育現場での実践に対応できる「教師力」を共にアップデートしていきましょう。


土田 真一 教授

Tsuchida Shinichi
担当科目:教育職員論、教育社会学、特別活動論、児童問題、社会科教育法1~4 など

自らを成長させる時間

授業のあとに提出される出席カード「気づきと学び」。教職課程で学ぶ学生たちが、その経験と感性を研ぎ澄まし、自らの内面と深く向き合いながら、痛々しいまでの思いをそこに綴ってくれます。自己の内面への気づきや眼差しは、教師の資質として欠かせないものです。学生たちが自己開示をしながら言葉を紡ぐ営みは、必ずや教師としての成長につながります。教職課程の4年間の学びは、自分と向き合い、教師として、あるいは人としての在り方生き方を考え、自らを成長させる時間なのです。今、コロナ禍のもとで、孤立や貧困など、子どもたちを巡る問題がより深刻化しています。子どもたちと感情を共有し痛みを分かち合うことができるかどうか、教師はその力量が問われています。教師として、あるいは人として、自分自身を深く見つめ、本気で子どもたちと向き合い、子どもたちに届く言葉で話す。そのための学びが、芸工大の教職課程にはあります。ここで学ぶ4年間は、人生の中でとても貴重な時間になるはずです。自らの成長を楽しみながら、自分の言葉で深く思考し、これからの教育の在り方について、それぞれの答えを探してみましょう。


寒河江 茂 教授

Sagae Shigeru
担当科目:教育課程論、教育方法、総合的な学習の時間の指導法 など

「教職課程」の学びから得るもの

学生は、教職課程の学びを通して、人間性と専門性を磨いています。現在は卒業し社会人となって活躍しているAさんは、4年次の授業の振り返り(『気づきと学び』レポート)で次のように述べています。「教職課程を振り返ってみると、人との関わり方を学んできた4年間でした。他者とその言動という表面だけでなく、その背景をも考え理解しようとする意識を持てたことは、教職課程を経験したからこそ身に付いた視点であり、これが社会でより良く生きるための基礎になると思います。」このように、他者とのコミュニケーションから多様な価値観を知ることで、他者理解が深まり、自己理解につながります。また、身に付けた思考力?判断力?表現力が、教職はもちろん、自身の将来に向けての指針となり、学び続ける意欲を高めています。


その他の教員

教員名 学位 主な担当授業
森田智幸 修士(教育学) 教育原理
小山田正幸 修士(教育学) 道徳教育指導法、教育学研究2(障害者の病理?心理?教育)、教育学研究5(環境教育)
福田真一 文学修士 教育心理学
小林知可志 法学士 教育指導2(教育相談)、特別支援教育概論
阿部 稔 学士 工業科教育法1~2、職業指導
石沢恵理 修士(芸術文化) 教育学研究4(子供の遊びと学び)
佐藤 敦 学士 障害者?高齢者の心理と福祉、介護等体験事前事後指導
黒木 健 修士(教育学) デザイン演習(教職)
佐藤幸司 学士(教育学) 道徳教育指導論